耳石、眼振、前庭リハビリ めまいの診察で聞く言葉を患者の側から読む
耳石は内耳で頭の傾きを感じ取る小さな粒で、はがれて半規管に入ると頭を動かしたときに短いめまいが起きます。診察で聞く言葉の意味が分かると、自分の治療の分かれ道も見えてきます。
「耳石がずれていますね」と言われて、うなずいたものの、耳石が何なのか分からないまま帰ってきた。めまいの診察では、こうした聞き慣れない言葉が短い時間にいくつも出てきます。耳石は、内耳で頭の傾きを感じ取るための小さなカルシウムの粒で、これが本来の場所からはがれて半規管に入り込むと、頭を動かしたときに短いめまいが起きます。
この記事では、めまいで受診したときに耳にする言葉を、だいたい聞く順番に並べました。それぞれ、意味と、その言葉が出たときに自分の治療の何が決まるのかを添えています。ソウル・江南のクァンドン病院 めまいセンターの診療の流れも、必要なところで紹介します。
「めまい」は、人によって指すものが違いますか
違います。米国国立聴覚・伝達障害研究所(NIDCD)は、「めまい」という言葉が人によって別のものを指すと説明しています。一瞬気が遠くなる感じを言う人もいれば、長く続く強い回転感を言う人もいます。
診察で最初に聞かれるのは、この違いです。日本語でも、おおまかに次のように言い分けられます。
- 回転性めまい:自分か周りがぐるぐる回る感じ
- 浮動性めまい:ふわふわと体が浮く、揺れている感じ
- ふらつき:歩くと片側に寄る、足元が定まらない感じ
- 立ちくらみ:立ち上がった瞬間に気が遠くなる感じ
どれに近いかで、疑う場所が変わります。回転感が強ければ内耳の平衡器官を、立ちくらみなら血圧の変化を、というように、最初の分かれ道がここで決まります。
前庭と半規管は、体のどこにあるのですか
前庭は、内耳にある平衡感覚の器官のまとまりです。NIDCDによると、内耳には頭の回転を感じる三つの半規管と、重力に対する頭の位置を感じる卵形嚢・球形嚢があります。卵形嚢と球形嚢のゼリー状の層には、炭酸カルシウムの小さな粒がのっていて、これが耳石です。
脳は、内耳からの信号に、目からの情報と、足の筋肉や皮膚の感覚を合わせて体の傾きを判断しています。どれか一つの信号が狂うと、めまいやふらつきとして感じられます。めまいの原因が耳だけにあるとは限らないのは、このためです。
良性発作性頭位めまい症(BPPV)と言われたら、何が起きているのですか
はがれた耳石が半規管に入り込み、頭を動かしたときに誤った信号を出している状態です。MSDマニュアル家庭版によると、頭を動かしたときに短い回転感が起こり、通常は1分未満で治まります。朝の寝返りや、上を見上げる動作がきっかけになりやすく、難聴や耳鳴りは起こらないとされています。
診察では「眼振」という言葉もよく出ます。眼振は、眼球が一方向へ速く動いてからゆっくり戻る動きで、平衡器官の乱れが目の動きに表れたものです。BPPVの診断では、頭の位置を順に変えて眼振が出るかを見るディックス・ホールパイク法がよく使われます。
治療の名前は「浮遊耳石置換法」です。頭と体を決まった順に動かし、半規管に入った耳石を症状の出ない場所へ戻します。代表的なものはエプリー法と呼ばれます。NIDCDは、1回で済む人もいれば、何回か必要な人もいると説明しています。
クァンドン病院のめまいセンターのFAQでは、頭位変換法がよく効く一方で再発も多いため、再発を減らす目的で前庭リハビリ運動を加えるとしています。
耳以外の原因には、どんな名前がつきますか
耳の外にも、めまいの原因はあります。クァンドン病院のめまいセンターは「耳、脳、首、血圧。めまいの原因は一か所だけにあるとは限らない」と案内し、次のような名前の外来を置いています。
| 名前 | おおまかな意味 | 診察で確かめること |
|---|---|---|
| 前庭神経炎 | 平衡を伝える神経の炎症。NIDCDはウイルスが原因になりうると説明 | 回転感の続き方、眼振 |
| 血管性めまい | 脳の血流の問題が関わるめまい | 神経の症状を伴うか、血管の評価が要るか |
| 自律神経性めまい | 血圧や心拍の調整の乱れが関わるめまい | 立ち上がったときの変化、自律神経の検査 |
| 小脳萎縮 | バランスを調整する小脳の変化 | 歩き方、神経学的な診察 |
表の病名は、センターの外来名として挙がっているものです。どれに当てはまるかは、問診と検査を組み合わせて医師が判断します。めまいセンターでは、前庭の機能、自律神経、心臓まで一緒に確認するとしています。
検査では、どんな言葉が出てきますか
最初に聞くことが多いのは「前庭機能検査」です。目の動きから平衡器官の状態を調べる検査で、クァンドン病院でも最初の段階に置かれています。続いて、脳と自律神経のどちらに原因があるかを分けるための神経学的検査と自律神経の検査があります。
「MRIは撮りますか」という質問は多いのですが、めまいセンターのFAQでは、全員に必要なわけではなく、神経の症状を伴う場合に選択的に行うとしています。
もう一つ、クァンドン病院で聞くことになる言葉が「合同判読」です。神経内科、リハビリテーション医学、韓方、内科が検査結果を一緒に読み、原因を決めます。いくつかの病院で「異常なし」と言われてきた人に向けて、センターは一つの科だけで見ると見逃しやすいことを理由に挙げています。
前庭リハビリテーションは、何をするのですか
前庭リハビリテーションは、運動を通して平衡感覚を鍛え直す治療です。原因に合わせた治療のあとに、仕上げとして行います。クァンドン病院のめまいセンターのFAQでは、通常4〜8週間のコースとして計画するとしています。
NIDCDも、めまいを完全には取り除けない人がいること、そうした人には前庭リハビリの専門家が個別の治療計画を作る助けになることを説明しています。
クァンドン病院では、リハビリテーション医学のシン・サンフン センター長が前庭リハビリ運動を担当し、スポーツ医学チームがバランスと歩行の評価を行います。リハビリは3階と5階のリハビリ運動センターで行います。数週間にわたるため、日本から通う場合は、どこまでを韓国で行い、続きを自宅でどう進めるかを計画の段階で確かめておく必要があります。
治療のリスクと、すぐに受診してほしいめまい
治療にも負担はあります。浮遊耳石置換法は頭の位置を変えて耳石を動かすため、処置の最中にめまいや吐き気が出ることがあります。再発する人もいて、MSDマニュアルはその場合に同じ方法を繰り返すと説明しています。めまいや吐き気を抑える薬は症状を和らげる一方、NIDCDは眠気が出ることがあると注意しています。
次のような場合は、旅行の計画より先に、日本で救急の受診を考えてください。
- 手足の麻痺やしびれ、ろれつが回らない、物が二重に見える
- 経験したことのない強い頭痛を伴う
- 立てない、歩けないほどのふらつきが急に始まった
脳の病気を急いで確かめる必要があるためです。また、高齢の方はめまいから転倒につながることがあり、MSDマニュアルも高齢者では転倒やけがに至る場合があるとしています。暗い場所を歩かない、かかとの低い靴を履くなど、NIDCDが挙げる転倒を防ぐ工夫も役に立ちます。
4つの科が一人を診るとは、どういうことか
クァンドン病院のめまいセンターは3階にあり、神経内科のキム・ヨンジョン医師が前庭と神経の鑑別診断を、リハビリテーション医学のシン・サンフン センター長が前庭リハビリ運動を、韓方のキム・ギュヒョン医師が韓方の協診を担当します。内科を加えた4つの科が、同じ患者の検査結果を読みます。
原因に合わせた治療として、BPPVには頭位変換法、ほかの原因には薬や韓方を組み合わせます。韓方の併用は希望すれば可能で、同じ建物の6階にある韓方センターと連携します。院内には日本語のコーディネーターが常駐しています。
受診の前に書いておくとよいメモ
NIDCDは、診察の前に次のことを整理しておくよう勧めています。
めまいは回る感じか、どちらに回るか。特定の動きで起きるのか、じっとしていても起きるのか。難聴、耳鳴り、耳の詰まり、頭痛を伴うか。どれくらいの頻度で、何秒、何分、何時間続くか。転んだことはあるか。そして飲んでいる薬とサプリメントの一覧です。
これまでに受けた検査の結果や、「異常なし」と言われた記録も、そのまま判断の材料になります。センターの詳しい内容はめまいセンターのページ(英語)に、アクセスは予約・アクセスのページ(英語)にあります。ほかの記事はめまいの記事一覧から読めます。
上のメモを書いてみて、いちばん説明しにくかった症状を一つ、LINEで送ってください。言葉にしにくいめまいほど、最初に誰かに伝えておくと、診察で話す順番が整理しやすくなります。
よくある質問
耳石がずれるのはなぜですか?
NIDCDによると、BPPVは頭のけがのあとに起きることもあれば、年齢とともに起きることもあります。MSDマニュアルでは、本来の場所からはがれた耳石が半規管に入り込むことが原因とされています。
BPPVは一度治ればもう起きませんか?
再発する人は少なくありません。クァンドン病院のめまいセンターでは、頭位変換法に加えて前庭リハビリ運動を行い、再発を減らすことを目指します。
めまいでMRIは必要ですか?
全員に必要なわけではありません。クァンドン病院では、神経の症状を伴う場合に選択的に行うとしています。
前庭リハビリはどれくらい続けますか?
原因によって異なりますが、クァンドン病院では通常4〜8週間のコースとして計画します。
めまいに韓方は使えますか?
希望すれば併用できます。クァンドン病院では、同じ建物の6階にある韓方センターと連携し、韓方の医師が協診に加わります。
参考資料
- Balance Disorders · National Institute on Deafness and Other Communication Disorders (NIH)
- 良性発作性頭位めまい症(MSDマニュアル家庭版) · MSDマニュアル
この記事はAIの支援を受け、クァンドン病院の公開情報と記載の医学資料をもとに作成しました。医師の監修は受けていません。




