親が認知症で自分も不安な50代へ 脳の健康チェックで分かること、分からないこと
親が認知症で自分も不安なとき、家族歴は診断ではなく確かめる理由の一つです。脳の検査で分かるのはいまの状態と次の一歩で、将来認知症になるかどうかは予測できません。
「家族歴がある」は、診断ではなく、確かめる理由の一つです。親が認知症と診断されて、自分も不安になっている50代の方は少なくありません。名前が出てこない、約束を一つ忘れた、そのたびに「親と同じ始まりではないか」と考えてしまう。この不安には、検査で答えられる部分と、検査をしても答えが出ない部分があります。
ソウル・江南のクァンドン病院 脳健康・認知症センターの「脳健康チェック」は、症状がなくても、家族歴が気になる人も対象にしています。この記事では、介護をしながら自分のことも気になり始めた人が、確かめる前に知っておきたいことを順に書きます。
親が認知症だと、自分もなりやすいのですか
遺伝的な要因が関わる可能性はありますが、家族歴だけで将来が決まるわけではありません。米国国立老化研究所(NIA)は、遺伝的な要因が軽度認知障害(MCI)や認知症になるかどうかに関わる可能性があると説明しつつ、MCIの人がなぜ進む場合と進まない場合があるのかは、まだ研究が続いているとしています。
クァンドン病院の脳健康チェックでも、ApoE遺伝子検査は希望と必要に応じた追加項目の一つで、全員が受ける検査ではありません。病院は「遺伝的なリスク因子は認知症の診断ではない」と明記し、遺伝子検査には事前の説明、同意、結果の説明が必要だとしています。
親の介護を経験した人ほど、認知症の進み方を間近で見ています。そのぶん、自分の小さな変化を重く受け止めやすくなります。不安の大きさと、実際の状態は分けて考えたほうが、次の一歩を選びやすくなります。
「もの忘れ」と「認知症」は、どこが違うのですか
違いは、忘れ方と、暮らしへの影響に出ます。クァンドン病院のセンターは、ヒントがあれば思い出せることと、出来事そのものが抜け落ちることの違いを、境目の一つとして紹介しています。
その手前に、MCIと呼ばれる段階があります。国立長寿医療研究センターの「MCIハンドブック」を引用した広島県の資料によると、MCIは認知機能の低下の自覚があるものの、日常生活は問題なく送れている状態です。同じ資料では、1年で約5〜15%の人が認知症に移行する一方、1年で16〜41%の人は健常な状態に戻るとされています。
NIAも、MCIの人の症状は同じまま続くことや、よくなることも多いと説明しています。MCIは「認知症の始まり」と決まったものではありません。
介護で疲れているときの「忘れっぽさ」は、どう見ればいいですか
睡眠、気分、飲んでいる薬を一緒に見ます。クァンドン病院の脳健康チェックでは、記憶や注意力だけでなく、睡眠や気分、服用中の薬、高血圧や糖尿病などの持病も確認項目に入っています。
介護をしている時期は、夜中に起こされる、気が休まらない、自分の通院が後回しになる、ということが重なりがちです。NIAも、記憶や思考の問題が治療できる状態から起きている場合があり、医師の検査でそれを見分けられると説明しています。
センターのFAQには、検査結果は正常なのに以前と違う気がする、という相談への答えもあります。変化のパターン、睡眠、気分、薬、日常の機能を見直したうえで、必要なケアと再評価の時期を決めるとしています。正常という結果だけを理由に、薬や処置を一律に勧めることはしない、とも書かれています。
脳健康チェックでは、何を調べるのですか
検査の範囲は、相談のうえで一人ずつ決まります。クァンドン病院の脳健康チェックは、大きく三つの領域から、目的と状態に合うものを選びます。
| 領域 | 内容 | 選び方 |
|---|---|---|
| 認知機能 | 専門医の問診、MMSEやMoCAなどのスクリーニング、SNSBやLICAなどの詳しい評価、家族から見た日常の様子 | 臨床的な目的に合わせて選ぶ |
| 生活と全身の健康 | 睡眠と気分、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの既往、必要に応じた血液検査と栄養状態 | 医師の判断で検討 |
| 脳と脳血管 | 必要な場合の脳MRI、脳血管のMRA、医師による画像の説明 | 必要なときだけ |
追加の項目として、ApoE遺伝子検査、脳波(EEG)、アミロイド関連の血液検査、AIによる脳画像解析があります。どれも全員向けの基本検査ではなく、受けられるかどうかと解釈の範囲は医師が確認します。症状のない人に向けて、アミロイド関連の血液検査を定期的なスクリーニングや単独の診断手段として行うことはしない、と病院は説明しています。
MRIなどの画像は地下1階の画像センターで撮影し、放射線科の専門医が読影します。体内の金属や医療機器、手術歴など撮影前の確認事項は、予約のときに説明があります。
検査で分かること、分からないことは何ですか
検査で分かるのは「いまの状態」と「次に何をするか」です。将来、認知症になるかどうかを予測することはできません。クァンドン病院は、検査だけですべての脳の病気を見つけられるわけではなく、認知症になるかどうかを予測することもできないと明記しています。
結果によって、次の進み方は変わります。病院の説明では、はっきりした所見がなければ運動、栄養、睡眠などの生活面を見直します。結果は正常でも違和感が続く場合は、いつからどう変わったかを聞いたうえで、神経内科の診察や再評価につなぎます。詳しい評価が必要な場合はその日程を組み、診断がついた場合はセンターでの治療、認知リハビリ、家族相談、経過の評価へと進みます。
NIAは、MCIは症状が深刻になる前の兆しの場合もあるため、6〜12か月ごとに医師や専門医の診察を受け、記憶や思考の変化を追っていくことを勧めています。一度の検査で終わりにしない、という考え方です。
検査と治療のリスク、向いていない場合
検査にも負担と限界があります。MRIは体内に金属や医療機器がある人では受けられないことがあり、事前の確認が欠かせません。遺伝子検査の結果は、将来への不安を強めることもあるため、受ける前にその結果をどう受け止めるかを考えておく必要があります。
治療の選択肢として、センターではレカネマブを、早期のアルツハイマー病で適格性を評価したうえで選択的に検討します。アミロイドの病理の確認が必要で、期待できる効果と副作用、MRIによる安全確認の計画を説明したうえで、専門医と一緒に決めます。MCIや認知症のすべての場合に使える治療ではありません。
次のような場合は、韓国での検査を考える前に、日本の医療機関を受診してください。
- 数日から数週間で急に混乱が強くなった、言葉が出にくくなった
- 手足の麻痺やしびれ、ろれつが回らないなどを伴う
- 道に迷う、火の不始末が続くなど、生活の安全に関わる変化が出ている
急な変化は、脳血管の病気などほかの原因を急いで確かめる必要があるためです。また、すでにMCIや認知症と診断されている場合は、チェックより先にセンターでの診察を勧めることがある、と病院は案内しています。
担当するのはどんな医師ですか
脳健康チェックの結果は、神経内科のキム・ヨンジョン医師が確認します。病院の公開情報によると、キム医師はクァンドン病院の神経内科部長で、ソウル峨山病院の神経科兼任教授です。ソウル峨山病院の臨床助教授、城南市高齢者保健センターの神経科長と認知症ケアの副センター長を務めた経歴があります。
センターは3階と6階にあり、神経内科を中心に、老年医学、内科、リハビリテーション医学、放射線科、韓方が必要に応じて加わります。すべての患者がすべての科を受診するわけではありません。院内には日本語のコーディネーターが常駐しています。
相談の前に、そろえておくといいもの
病院が持参を勧めているのは三つです。これまでの検査報告書や画像、受診の記録。いま飲んでいる薬とサプリメントの一覧。そして、いつから、どんな場面で変化に気づいたかのメモです。日常の様子をよく知る家族と一緒に来られると、なお助けになります。
介護をしている方なら、親の診断のときに医師から聞いたことも書き添えておくと、家族歴を説明しやすくなります。検査にかかる時間、来院の回数、絶食の有無、結果説明の時期は、予約のときに説明があります。
プログラムの詳しい内容は脳健康チェックのページ(英語)に、診断後の治療やケアは脳健康・認知症センターのページ(英語)にあります。同じテーマの記事は脳の健康・もの忘れの記事一覧から読めます。
まだ受けるかどうか決めていなくても、いちばん気になっていることを一つだけLINEで送ってください。「親が何歳で診断されたか」「最近どんな場面で忘れたか」といった一文でも、相談の入口になります。
よくある質問
症状がなくても脳の検査を受けられますか?
クァンドン病院の脳健康チェックは、症状のない人も対象にしています。ただし全員に検査が必要とは限らず、年齢、病歴、家族歴、気になっていることを聞いたうえで、検査の要否と範囲を決めます。
MCIと言われたら、いずれ認知症になりますか?
そうとは限りません。NIAは、MCIの症状が同じまま続いたり、よくなったりすることも多いと説明しています。国立長寿医療研究センターの資料を引用した広島県のページでも、1年で16〜41%が健常な状態に戻るとされています。
MRIと遺伝子検査は両方受ける必要がありますか?
いいえ。どの検査が必要かは相談と臨床判断で決まります。MRI、MRA、遺伝子検査、アミロイド関連の検査は、全員に同じように行うセットではありません。
検査結果が正常なら、何もしなくていいですか?
状態や目標に応じて、生活面の相談や経過の確認を提案することがあります。正常でも違和感が続けば、改めて相談できます。薬や処置が全員に必要なわけではありません。
親の介護中でも受けられる日程になりますか?
検査にかかる時間、来院の回数、結果説明の時期は、選ぶ検査と診療の日程で変わり、予約のときに説明があります。病院の診療は平日9:00〜17:30、土曜9:00〜13:30で、日曜・祝日は休診です。
参考資料
- What Is Mild Cognitive Impairment? · National Institute on Aging (NIH)
- MCI(軽度認知障害)について(国立長寿医療研究センター「MCIハンドブック」を引用) · 広島県
この記事はAIの支援を受け、クァンドン病院の公開情報と記載の医学資料をもとに作成しました。医師の監修は受けていません。




